大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

仙台高等裁判所 昭和25年(う)758号 判決 1950年11月28日

被告人

後藤政美

主文

原判決を破棄する。

被告人を罰金壱万円に処する。

右罰金を完納することができないときは弍百円を壱日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

弁護人菊地養之輔の控訴趣意第一点について。

原審がその判決の証拠に援用した佐藤左門作成に係る登米病院の一条幸男に対する国民健康保険被保険者診療録写はそれが「写」であつて原本ではないこと、又その「写」には原本中外国語の文字はすべて日本語に直した旨の附記のあるものであつて、即ち原本の通りの記載のものではないと認むべきことは所論の通りである。しかしながら原審第二回公判調書中証人佐藤左門の供述記載によれば右診療録は右登米病院勤務の医師たる佐藤左門の作成にかかるものであることが明かであるが、右写はこの原本作成者たる佐藤左門が作成したもので、外国語の記載を日本語に直した外原本の記載をその儘写した旨の附記の存するものであるから、之を刑事訴訟法第三二三条第二号の書面ということはできないとしても同条第三号に当る書面といい得ることは疑いなく、のみならず、記録によればこの書面を証拠とすることについては原審第二回公判廷において被告人及び弁護人において同意しているのであるから、この書面が同法第三二六条によつても証拠能力を有することは明白である。論旨は理由がない。

(註 本件は事実誤認により破棄自判)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例